Episode I
みためへのこだわり
日本仕様で一番気になる部分
シルバーのボディカラーで気になるところは、ケツの黒いところ、すなわち、ナンバープレートまわりとリアハッチの下の折れ曲がった部分(リアバンパーの上の面)。5ドアが出た時からあの面が特徴的でいいデザインだと思っていたが、シルバーの場合、黒いのが目立つので台無しだ。ちなみに、英国(欧州)仕様後期型では、ボディ同色に塗られている。
従って、はじめから躊躇することなく、シルバーに塗ってから納車するようディーラーに依頼(その後、テールランプ交換と追突事故のためこの作業は無駄になる訳だが..)。結果は正解。あの部分を塗るだけでも印象は変わる。ちなみにテールランプ以外のところは粘着テープ(汗)
リアナンバープレートまわり
日本仕様で最も嫌いな部分がバックドアフィ二シャー(ナンバー灯を組み込んだナンバー枠)。プロモーションビデオを見てから、数年後に本物の5ドアを見ることになったが、どこか違和感を感じたのは、このパーツの存在に他ならない。ボディ同色で塗ろうかとも思ったが、複雑な面構成なので、シルバーに塗ったら変な光り方をするのではないかという懸念があり、納車時に塗ってもらうことはやめた。
いいタイミングで、FHP乗りの知人(K姉弟)がドイツ在住のD氏(偽UK時代からのつきあい)に頼んでパーツを送ってもらうという話があり、自分も便乗することにした。その時送ってもらったのが、このパーツとナンバー灯、それにリアコンビネーションランプとフロントウインカーである。
バックドアフィニシャー
一般人から見れば商用車と同じ様にしか見えないだろうが、我々にとっては非常に泣けるものだった。これを装着するためには、ナンバープレートの取付け位置を下にオフセットする必要があったが、ナンバープレートが斜めにハミ出すことで、かえって輸入車っぽい雰囲気を醸し出した(日本仕様を外すことによって出来た余分な取付け穴を塞ぐこととナンバーフレームの溶接は後に板金屋さんに依頼することになる)。
しかしながら、パーツ自体の質は日本の商用車用よりも悪く、ヒケの目立つものであった。そこが唯一気に入らない点だったが、追突事故にあったタイミングで面の揺れを修正し、ボディ同色塗装を施している。これにより若干の高級感とモノトーン化が実現できたように思う。ちなみに英国仕様では素材色のままである。
ナンバー灯
英国仕様のバックドアフィニシャーにはナンバー灯が内蔵されていないので、別体のナンバー灯をバンパー上面に埋込み下から照らす形式となる。装着してみると、ナンバープレートだけではなくリア全体がライトアップされ非常に泣ける。これはうれしい誤算であった。装着はバンパーを降ろすことになり、それなりに苦労したが、結果には満足している。おそらく、日本のFHP10オーナーのほとんどが、うらやましがるのではないかと思うくらいである(笑)
リアコンビネーションランプ
4ドアの時と同様、クリアタイプは必須と考えた。5ドア用のクリアは存在しないものと思っていたが、英国仕様後期型がクリアと知りこれはいかんと思った。欲しくて仕方なくなったのだ(笑)これもドイツから送ってもらうパーツリストに加えた。
送られてきて大喜びしたが、ひとつ問題があった。ドイツだから欧州仕様、すなわち左ハンドル圏仕様なのでリアフォグが左にある、ということだ。英国仕様にこだわるならば、当然右になければならない(汗)
よくよく観察すると、左右は構造的には同じで、違いはリフレクターがギラギラか透明かの違いに見えた。そこで右側のランプの裏側をPカッターで切断しリフレクターを取り出してみた。やはり透明であった。さっそくこれにシルバーの塗料を吹いてみたが、ランプの中に納めてみると今ひとつ輝きが足りない(汗)いろいろ考えた末、比較的メッキに近い光沢のアルミテープを探し、これを貼ることにした。結果は塗装の時よりはいい感じ。これで妥協することにした。
で、これも納車時と同様下の部分をボディ同色塗装。さらに、先に装着した人から、水が侵入するという話を聞きシリコンゴム系のシール剤を塗布し、ようやく装着可能となった(汗)
装着してみると
やっぱり泣ける。4ドア用に比べ、クリアの面積が狭い分インパクトに欠けるが、明らかに別物である。一見すると、日本仕様と違うのは、ウインカー部分とリアフォグ部分だけだろうと思われがちだが、じつは他にも違いはある。
これはおそらくほとんどの人が気付かないと思うが、最上段(スモール/ブレーキランプ部分)のレンズのリフレクターパターンがまるで違う。日本仕様の場合、ライトを照らすと、いかにもリフレクターという感じで一部分が長方形に光るが、英国仕様は違う。最上段全体が光るのだ。つまりリフレクターのパターンは縞上に全体に施されているのだ(涙)
板金屋さんが最初に気付き、『ひらたさん、これリフレクターないからこのままじゃ車検通らないよ』といいつつ懐中電灯で照らすと、全体が光る。まるでLEDのブレーキランプのような光り方だ。
おお〜!、さすが英国仕様!、泣けるねぇ〜ってことで板金屋さん一同大騒ぎ(笑)はっきり言って品質は悪いが、そういった細かいところがすばらしい。4ドアの時も思ったが、何で日本仕様と英国仕様ってこんなにも違うのか?(汗)
その後、追突事故で左側が破損したので、英国から念願の右ハンドル仕様を輸入し現在に至る。ちなみに破損したものはFHP乗りのJ氏に差し上げたところ、彼は期待通りみごとに復活させてくれた(涙)
泣けるフロントウインカー
ドイツからパーツを送ってもらった際、フロントウインカーを頼んだのは自分だけだった。6年ほど前オーストリア製のカタログを入手し、日本仕様と欧州仕様のレンズカットの違いを知っていたのでこれもぜひ欲しかった。届いたものを見てみると英国(Britax)製で、思った通りこれまで装着していたUS仕様とも日本仕様の1型とも雰囲気が違っており、大泣きして喜んだ(笑)
しかしながら、一般人は気にもとめないだろうし、プリ乗りでも1型と区別できる人はほとんどいないと思う。実際、オフ会でも見分けられる人はほとんどいなくてがっかりした。しかし、だからこそ価値があるし、自己満足の極みであると思う。
リアスポ外し
リアスポ外しは正直迷ったが、とにかく軽量化したかったし、ハネ無しエアロがユーロスタイルの基本だと考えた。もちろん、リアスポなしは偽UKの頃からの自分のプリのアイデンティティであるという意味合いもある。結局、北海道の某氏のプリと、ネットで見た海外のプリの写真を見ながら考えた結果、外すことを決意。作業は板金屋さんに依頼し、ついでにバックドアフィニシャーの穴を塞ぐことと、ローバーミニ用のナンバー枠を溶接することもお願いした。結果は正解で、ややダックテールにも見えるエッジのとがった魅力的なトランクエンドが姿を現した。同時に重心が低く感じられるようになったのも正解である。
その後追突事故により残念ながらこのリアハッチは交換されている。ちなみに日本で手配したリアハッチにはリアスポの穴が開いておらず、より完璧な仕上がりとすることができた。
サイドのウインカー問題
4ドアの時、英国仕様後期型のクリアのテールランプは感動的だった。サイドのウインカーも後期型は当然クリアだろうと思ったが、まんまと期待は裏切られ、アンバーのままでしかも、モールの位置ではなくフェンダーの位置のままであった。英国仕様で唯一気に入らない部分はここであった。HP10を買った時、モールにウインカーが埋込んであることに感動していたのでこれはフに落ちなかった。
テールランプの輸入方法を教えてくれたHP10乗りのM師匠も同じ考えだったようで、全国オフで最初に会った時、既にクリアウインカーを自作して装着しておられた。問題は素材だが、彼はダイヤモンドカットアクリル板を利用しており、その素材の余りをなんと自分に提供してくれた(涙)
自分は型職人だったので、このテの工作は得意で普通の人よりはうまく作れる自信があったし、会社の道具を自由に使えるという恵まれた環境にあった。しかしながら、すぐに制作には取りかからなかった。ひとつ懸案事項があったからだ。
ウインカーは、モールの延長線上にあるので、当然ながら平面ではない。そこに平らなアクリル板を埋込むとレンズ部分がへこんで見えてしまうのだ。どうしてもそれが気に入らなくて、アクリル曲げ器なるものを買ってきて、いろいろと曲げに挑戦してみたものの、うまくいかなかった(汗)結局、そのまま保留となり、ノーマルに薄くスモークを吹くことでアンバーを目立たなくしてごまかしていた(苦笑)
クリアウインカー自作
FHPに乗り換え、ボディカラーがシルバーになったので、よけいにクリアが欲しくなった。P11のように社外品の登場にも期待していたが、結局出なかったので、BMW用を買って改造を考えてみたり、業者に頼んで作ってもらうなど、いろいろと無駄なあがきを繰り返していた(汗)しかし、どれも気に入らず、最終的には自分で作るしかないと思った。
じつは以前から、P10用のバックランプが使えるのではないかと目をつけていて、その部分を切り取って保管してあったのだ。完璧ではないが、それなりにRがついていたし、レンズカットが本物のウインカーに近かったのでこれしかないと思った。
ようやく制作を開始。めんどうな作業が続いたがついに完成。自分ながら仕上がりには満足している。構想から4年後のことであった。
4灯式ヘッドライト
当て逃げでフロントを潰され、ヘッドライトが傷ついた。このままではおもしろくないので、4灯式ヘッドライトを個人輸入することにした。ボンネットなどの修理もあったので、取付けは再び板金屋さんにお願いすることした。レベライザー付きは取付けがめんどうなので断念したが、4灯ヘッドライトの導入による効果は大きかった。これも4ドア時代からの自分のプリとしては必要不可欠な装備である。
まさかの。。
4灯式装着で喜んでいたのもつかの間、今度は追突事故に遭った。修理できると言うものの、苦労して作り込んだリアまわりがメチャメチャだった(汗)相手が100%悪いのでこっちも強気で、リアハッチ以外の外装パーツはすべて英国から輸入するにした。当然ながら板金屋さんは英国からは手配ができないと言うので、結局自分が個人輸入することになった。
もちろん、リアバンパーは日本仕様を発注することもできた訳だが、板金屋さんがナンバー灯の穴をあけるのはイヤだと言うし、保険屋の説得は任せなさい、と言ってくれたのでリアバンパーも輸入することになった。
こいつが本命!3つ穴フロントバンパー
当然ながら、リアバンパーを輸入するなら、ついでに後期型フロントバンパーも輸入しちゃいましょう、という話にもなる(笑)もちろん実費負担。こんな大物を輸入するのははじめてでいろいろと苦労したが、無事到着。英国仕様後期型をめざすなら必要不可欠と思っていたが、まさか本当に手に入れることができるとは思っていなかった。泣ける度ナンバーワン!。オーテックバンパーと機能は同様でも、みためがさりげない3つ穴バンパーは、みためと機能を両立した理想的なパーツである。
日本で自分以外にこれを装着しているという情報は今のところない。ま、普通に考えて、バンパーを輸入するなんてイカれてるわな(自爆)しかしながら、おそらく、心あるP10乗りはみんな欲しがるのではないだろうか?
モールの色
ご存知の方も多いと思うが、英国仕様後期型のGTの場合、バンパー上部とモールはボディ同色である。バンパーは未塗装で送られてきたので、上を塗るかどうか非常に迷った。ダークカラーであれば迷わず同色にしたと思うが、海外のプリの写真等を参考にし検討した結果、今まで通り黒で残すことにした。見慣れてないせいか、全部シルバーだと違和感があるし、おデブに見えるのではないかと思ったからだ。ちなみにフロントバンパーの開口部、すなわち、ナンバープレートの奥のところの棒?は、塗らないように指示した。これもささやかなこだわりである。
で、バンパーの黒いところはどうしたかというと、半光沢に仕上げたかったので、後から自分でクリアを吹いている。ちなみに、板金屋に半光沢にせよ、と言ったら『つるつるでないと無理』と言われたのである(苦笑)
自作フロントグリル
4ドアの時に、自分でデザインして木型を造り、樹脂で反転して量産型を作った。先代は試作をつけていたが、今のは量産型2号である(1号は旧みっちゃん号がつけていた)。英国仕様後期のレプリカをめざしている訳ではないという証拠でもあり、偽UKの証であり、自分のプリにはなくてはならないものだ。デザインは自分でも気に入っているが、正直ダークカラーのほうが似合うとも思う。
全体的に見ると
じつにシンプルなクルマに仕上がったと思う。
正直、自分でも物足りなさを感じることもあり、ルーフアンテナやMタイプのトランクスポイラー(現在Mっちゃんのレガシィについている)などを付けることも考えたが、結局今の状態に落ち着いている。
『自分のクルマによけいな飾りは似合わない』というのは、自分も仲間も認めるところである(苦笑)しかしながら、冗談でリアにインフィニティエンブレムを貼ってみたら、非常に似合う。英国でインフィニティを売ってくれたら堂々と貼れるのだが(爆)
いずれにせよ、自分の理想とするスタイリングが完成。じつに多くの人々のおかげだということを忘れてはいけない。


© 2009 M.HIRATA All rights reserved.