Hi-Vision
テレビが壊れた
2004年8月ごろからメインのテレビがたまに真っ暗になった。16〜17年近く使っていたので、もはや寿命と考え、新しいテレビを購入することになった。2011年でアナログ放送が廃止になるということで、地上デジタル放送対応のものも出始めており、電気店はデジタルハイビジョン一色という状況になっていた。
正直、テレビが壊れなければアナログ放送終了までずるずる行ってしまったかもしれないが、ハイビジョンは、これまでとは比べものにならないすごい画質だった。ちょうどその頃、大相撲の秋場所が放映されており、観客の一人一人の顔がハッキリ映っているのには驚いたし、女優さんのお肌のアレ具合いなんかもわかったりした(汗)
ハイビジョンとは
ハイビジョンとはNHKが開発した高精細度テレビジョン(High Definition television/HDTV)の愛称であり、走査線の数が従来の525本に対し、1125本(有効1035本)と多いため、映画フィルム並みの高精細な画像となる。画面の縦横比(アスペクト比)は人間の視野に合わせて従来(4:3)よりも横長な16:9となっている。慣れるとこのほうが自然だし、映画を見る場合も都合がいい。
デジタル放送の落し穴?(B-CASカード/コピーワンス)
現在日本のデジタル放送は(2004年4月5日から)放送波にスクランブルがかかっていて『B-CASカード』を挿入していない受信機では受信できないという仕様になっている。スクランブルには同時にコピーワンスのデジタル制御信号も混ぜられ『再コピー禁止』として録画しなければならないことになった。つまり、録画は1回だけ、なのである。
なお、ダビングは出来ないが器機間の移動、すなわちムーブ(移動後に元のデータが消える)のみが許されるが、ディスクメディアの場合は、焼いた時点でその後の移動はできなくなる。
B-CASで使用されている著作権保護の仕組みは、RMP(Rights Management and Protection)と呼ばれ、NHKと民放各社による『RMP協議会』なる組織が勝手に決めている。しかも、B-CASカードは、株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズという公共団体でもなんでもない単なる1企業が掌握している。当然ながら莫大な数の個人情報を握り、メーカーに対しても絶大な権限を持っている。
結局従うしかない
極めて公共性の高いテレビ放送を、国会や関係省庁等公の場での議論なしで、テレビ局どうしの話し合いだけで決められているという極めて不本意な状況にある。結局、送り手に有利な形になり、B-CASカード/コピーワンスという極めてユーザーにとって不便な方式がまかり通っているわけである。
こんなのいやだ、と言ったところで、このカードなしではデジタル放送は見れないし、ユーザー登録しなければ、約1ヶ月後から先、画面の下に『ユーザー登録してください』という表示が永遠に出続けることになる(苦笑)
こんなやり方、世界的に見ても日本だけである(怒)米国あたりから『テレビ製品の貿易の障壁』とか言われて攻撃を受けることに期待している。
ダビング10
『コピーワンス』は、ムーブに失敗したらデータが消える恐れもあり、ユーザーにとっては極めて不便である。また、レコーダーの買い控えにも繋がっているのではないかという説もあり、緩和策として総務省の情報通信審議会で提案されたのが『ダビング10』。これは、9回コピー+10回目は従来の『コピーワンス』と同様ムーブのみというもの。
放送での運用は2008年6月2日開始とのことである。対応機種は、HDDを内蔵するデジタルハイビジョンレコーダーのみという話で、比較的新しいモデルではファームウエアのアップデートで対応可能なものもあるようだが、旧機種の場合従来通り『コピーワンス』での運用となるようだ。
ダビング10で便利になるか?
ムーブの際の失敗に対する保険にはなるし、携帯プレーヤーなど他の機器/メディアで使える可能性も出て来たが、i.LINK(TS)等の方法で元データを他の機械にムーブするとダビングカウントはなくなる(機器間伝送の国際規格はいじらないので、日本のローカルルールであるダビング情報は伝達されない)。つまり、他の機器にムーブした時点で『コピーワンス』状態となる。すなわち、録画の元データが録画した機器のHDD内にないとコピーを増やすことができないということになる。
結局『ダビング10』になったところで、一旦ディスクメディアに書き込んでしまうと他のメディアに二度と移せないという状況は変わらず、鑑賞専用ディスクが10枚できるだけだという見方もできる。
正直なところ、ディスクからHDDへの書き戻しが出来なければ、ほとんど意味がない気がする。
2011年にアナログ放送が廃止になり、デジタル録画機ユーザーが増えれば、世界で唯一(?)の過剰な放送保護管理システムである『B-CASカードとダビング10』への不満も自ずと高まると思われ、いずれ、B-CASカード撤廃とコピーフリーになることを熱望している。
BSデジタル放送
アナログBSアンテナを流用しているが特に問題なくきれいな画像で受信できている。
BS放送は、結構多チャンネルで、テレビ放送が10チャンネル(有料も含む)、他に超短波放送11チャンネル、データ放送7チャンネルあるらしいが、音声だけやデータだけの放送はつまらないのでほとんど利用していない。
テレビの民放はスポンサーがつかないのか、貧弱な番組内容のものが目立ち、やたらとテレビショッピングが流れているのも特徴(苦笑)双方向機能はほとんど使わない。
ハイビジョンならではの高画質を堪能できなければ意味がない。自分は、ほとんどNHK BS-hi、WOWOWしか見ていない。あと、民放はBS-ASAHIのカーグラTVくらいか。結局有料放送でないといい番組はできないということか?
110度CSデジタル放送
BSデジタル放送用の衛星と同じ方角に衛星が打ち上げられており、CSデジタル放送をBSデジタル放送と同一のアンテナで受信できる。SKY PerfecTV!の無料体験キャンペーンがあったので、申し込んで見てみたが、想像以上に多チャンネルで驚いた。
しかし、少なくとも当時(2005年3月)、HD(ハイビジョン画質)放送はスターチャンネルのみで、あとはすべてSD(標準画質)放送だった。HDでないとつまらないし、スターチャンネルはほとんど内容がWOWOWとかぶるので、結局契約には至らなかった。ハイビジョン時代にHD放送がほとんどないというのが致命的。正直、アダルトチャンネルをHD放送すれば契約者は爆発的に増えると思うのだが(笑)
地上デジタル放送
アナログ放送終了の2011年に向けて、サービスエリアは大都市を中心に序々に拡大されている。
テレビを購入して約5ヶ月後(2005年3月)めでたくウチの地域(岐阜中濃)でも地上デジタル放送が見れるようになった(一部の放送局は遅れて開始)。アナログ放送と同一のUHFアンテナで受信できるが、アナログ放送とは比べものにならないくらい高画質である。番組内容は、現在アナログ放送とほとんど同一である(NHKが微妙に違う)。不思議なことに、アナログ放送よりも数秒遅れて表示される(謎)
転送レートと画質の違い
デジタル放送の画質は転送レート、すなわち単位時間あたりのデータ量に比例する。
転送レートは、BS(HD)24Mbps、地上(HD)17Mbps、BS(SD)12Mbpsとなっているが、フルスペックで放映されているとは限らないようで、放送局によっても多少違いがみられるようだ。自分の感覚では、NHK BS-hi > WOWOW(HD)> 民放BS(HD)> NHK地上総合/教育(HD) > 民放地上 > WOWOW(SD)> NHK BS2/BS1/地上教育(SD)というように感じている。さらに、厳密に言えば、民放もBS/地上それぞれランク付けができるがここでは省略する。
NHKの場合
ハイビジョンカメラで撮影した同じ番組を、BS-hi、BS2、地上総合、地上教育、で流す場合が多いので画質を比較しやすい。BS-hiは圧倒的に高画質である。BS1/BS2はSD放送だが、将来的にHDになるのかどうかNHKに問い合わせてみたところ、衛星の契約の関係でSDになっているそうで、現行の衛星で放送を続ける限り変わらないそうだ(残念)。
画質に差があると、より画質のいい放送を見たくなるもので、同じNHKでもBS-hiを優先的見るようになった。


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