Hi-Vision DVD Recorder
次世代DVDレコーダーの検討
HDDレコーダーを使い続けてきたが、突然のクラッシュという不安が常にあるし、交換ごとに新しい機械に録画データをムーブというのも容量が大きくなってくると大変である。そろそろ限界かと思っていた矢先、東芝の『HD DVD』事業からの撤退という話が飛び込んできた(従って、次世代DVDとして残ったのは『Blu-ray』ということになる)。
録画機に10万円以上出す気はなかったので、これは『HD DVD』対応機種が安く買える最後のチャンスかも?という訳で、急遽、購入の検討に入った。競合する『Blu-ray』機のマニュアルなどもダウンロードして比較した結果、少なくとも自分の使い方では、東芝『HD DVD』機が最適という結論を出した。逆に言うとその時点では『Blu-ray』機で欲しいものがなかったとも言える(?)撤退発表から2日後、近場の量販店で5年間保証付きで東芝RD-A600を購入(安い!)。ちなみにその店では最後の1台だった。
それにしても、どちらかと言えば『Blu-ray』支持だったので、自分としても意外な選択だった。満を持しての次世代DVD機導入がコレになるとは、つくづく変わり者な自分が泣ける(爆)
TOSHIBA RD-A600
東芝『HD DVD』レコーダーの事実上最後のフラグシップ機である(さらに上位となるはずのX7は発売延期後、通常DVDにデ・チューンされて登場 .. 涙)。調べる限り、消えていく規格である『HD DVD』機能を除外し、Wデジタルチューナー/600GBのHDD付きDVDレコーダーと考えても、現時点では最高水準の機械であることはほぼ間違いないとみた(新製品RD-A301も登場していたが自分はこれより劣ると判断した)。
また、i.LINKインターフェースの搭載によりHDDレコーダーとのムーブが可能であるというのも大きいし、将来的に『Blu-ray』レコーダーを購入した場合でもデータ移動できる可能性が高い。さらに、リアルタイムでないと意味がないデータ放送領域(天気予報など)を録画しないという仕様のため、データ領域カッターとしても有効利用できる。すなわち、この機械を経由することにより録画データを少なくできる可能性がある(特にパナソニック機の場合、データ放送領域含めて記録していながら再生できないという欠陥があり、メディアの無駄使いが指摘されている。>2008年モデルにおいても解決していない)。
また、将来的に録画機として使わなくなっても、2011年以降アナログTVに繋いでチューナーとして使うこともできる。
使ってみると
機能が多すぎて、全部把握するには相当時間がかかった(爆)起動に時間がかかり、家電というよりパソコン的?(ちなみにキーボードも接続できるし、LAN/サーバー機能も搭載)。スタートメニューなどもあって素人向けのオートモード/便利機能も用意されているが、慣れればほとんどの設定がマニュアル操作可能でしかも設定範囲が広い。特に録画ビットレートを任意に細かく設定できるので、画質優先/音質優先/録画時間優先など自由自在。フレーム単位(1/30秒)の編集までこなし、異なるタイトルの任意のチャプターを合成して出力できるなど、まさしくマニア向けの機械である(笑)慣れると手足のように動き『この瞬間がRDだね』というような独特な使用感がある(謎爆)
自分にとって最大のポイントであるHDDレコーダーとの双方向ムーブも問題なく成功し、録り溜めしたものをディスク化出来るようになった。その際、タイトル名を編集したり、チャプターの追加(サムネイル画像編集も可能)などもできる。もちろん画質は放送品位!これでHDDレコーダーを数台処分できそうである(?)
うれしい誤算?
意外だったのが、通常DVDの画質。アップスケーラー搭載のおかげで、今まで見る気がしなかったDVDもハイビジョン画質にアップコンバートされ、見違えるように奇麗に再生する(1080p出力対応)。同様にDVD-R録画でも意外に高画質である。長期保存したいものはDVD-Rに焼くという選択肢もできた。
Wチューナー搭載のおかげでTVと合わせて3番組同時録画可能になったのもありがたい。裏番組の録画だけでなく、いい番組はHDDレコーダーと同時に録画すればバックアップも作れる。
とにかく、自分の頭の中で考える範囲では、できないことはないと言えそうな多機能ぶりである。シンプルイズベストのHDDレコーダーとは真逆のタイプであり、両方併用すればまさに無敵の感がある。
ピンチか?チャンスか?
わざわざ規格廃止/生産中止になったものを購入しなくてもいいのに、と考える人も多いと思うが、『Blu-ray』にしても何年か先には消えていくかもしれないし、メーカーは生産終了後8年間はパーツを供給すると言っているので、このテのもののライフサイクルを考えれば十分である(HD DVD-Rメディアも東芝のサイトで安定供給されることになった)。
今後HDソフトは『Blu-ray』に一本化されると思われるが、見たいものが増えた時にプレーヤー/レコーダーを追加すればいいだけの話である。
また、この機に『HD DVD』ソフト/メディアの処分セールやオークション出品なども多数あり、自分の場合、ほとんど定価の2割〜5割くらいで入手できた。ソフトの画質はどれも放送レベルを上回ると思われる高品位なもので、『Blu-ray』未発表のタイトルや同じタイトルでも『Blu-ray』版より画質がいいという噂のものもあり、自分としてはずいぶん得をさせてもらった気分である(笑)
趣味の世界なので、ある意味楽しんだ者勝ちではなかろうか?あえて沈みかかった船に乗る、あるいは、片道の燃料を積んで大船に乗るのも一興ではないか?(爆)撤退を受け、メーカーにどなりこんで、返品/返金を迫る人までいたようだが、考え方/受止め方は人それぞれである。
もったいない
とにかく『RD-A600』は、自分が思うに他の日本のメーカーでは作れない(めんどうでやらない?)わかる人にはわかるというたぐいの希少な製品だと思う。少なくとも自分は、民生機でここまでできるのか!という驚きと満足感でいっぱいである。メーカー上層部の対応には少々腑に落ちない部分もあるが、技術陣に対しては素直に『ご苦労様でした』と言いたい。大手家電量販店の中には『Blu-ray』機器と交換に応じる(差額は自己負担)ところまで現れたが、たぶんマニアックな人は手放さなかったと思うし、自分としては『Blu-ray』と交換するなんて『もったいない』とさえ思う。
期間限定付き?なことや少々上級者向け?なこともあり、あえて今、万人におすすめできないのが非常に残念ではある。とりあえず壊れるまで大切に使うつもりであるが、念のため予備機を購入するかどうか再生専用機も含め検討している。また、『HD DVD』資産を将来的にパソコンで有効利用する方法についても今後考えていくつもりである。
自分にとっては『HD DVD』はまだ終わらない。いや、始まったばかりである!次世代『RD』の登場にも期待している。
個人的に、この撤退騒ぎで様々な人間模様/利害関係/市場の変化などを目の当たりにし非常に勉強になった。そして、いろんな意味で、この『祭り』に参加できたことをうれしく思う(笑)
ケーブル類交換
オーディオ製品のケーブル類と同様、このテの製品の付属品関係のコストダウンは著しい(苦笑)
早速、音声用は『SAEC SL-1801(0.7m)』、電源用は『OYAIDE L/I15DPC(2m)』、画像用は『ELECOM DH-DD10(1m)』に交換。いずれもそのメーカーとしては安い部類に入るが極めて良質で付属品とは全く別モノという印象。機器本来の性能を引き出すには交換は必須と思われるし、いい状態で使ってやらないともったいない。
おそらく、一般的に電源ケーブルまで交換する人は少ないものと思われるが、意外に最も効果があったりするので、ぜひお試しいただきたい(その前にテーブルタップ類もぜひ良いものに!)。
デジタルライントランス marantz DLT-1
オーディオ(CD Player)のコーナーでも紹介しているが、ここでもマランツのデジタルライントランス DLT-1の登場。CDプレーヤーの出力の後にこれを入れることによってデジタルっぽい不自然な音が緩和されるという印象があり長年愛用している。
デジタルテレビの音声をオーディオで再生する場際にも使用してみたところ音質が良くなったので、RD-A600の音声をオーディオシステムに出力する際にも使用してみた。相性もあるようだが、RD-A600の場合も入れたほうが良いと判断した。よって3基めの購入となった(オークションで入手)。
上に乗っているのが DLT-1。もはや新品購入できないのが残念。


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