About Hi-Vision Recorder
コピーワンス(& ダビング10)
デジタルハイビジョンの画質はすばらしい。ゆえに、そのままの画質で記録したいと思うのは当然である。
現状、ハイビジョン録画装置は不本意ながら『コピーワンス』に対応した製品を購入することになる(2008年初旬現在)。
具体的には、放送の録画は1回だけ許され、ダビングは出来ないが器機間の移動は出来る、いわゆるムーブ(移動後に元のデータが消える)のみが許される。これにより、コピーしても劣化しないというデジタルの特徴をフルに生かせない運用を強いられ、無制限にコピー可能なアナログよりも使い勝手においては、ある意味後退しているとも言える。
なお、緩和策として2008年7月4日から、HDD付きDVDレコーダー等を対象に『ダビング10』が始まったが、ディスクからHDDへの書き戻し(いわゆる孫コピー)が出来なければ、さほど便利にはならないと自分は考える。
ハイビジョン録画機のタイプは以下の数通り。
D-VHSレコーダー
残念ながら今となっては旧式と言わざるを得ないデジタル録画可能なVHS方式。テープ方式なので、ランダムアクセスできないことや接触式なので使っているうちにテープが痛むという問題がある。しかも、メディアが大きく場所をとる。D-VHSテープに移動(ムーブ)した時点で2度とムーブ出来なくなる。現在は生産されていない。
DVDレコーダー
従来のDVD形式では、基本的にはハイビジョン記録できない。ハイビジョン対応としているものは大抵HDD(ハードディスク)を内蔵しており、HDDに録画した段階ではHD(ハイビジョン画質)だが、DVDに移動した時点でSD(標準画質)以下にダウンコンバートされる。 従って、DVDに記録した時点で画質が悪くなるので注意が必要である。
最近では、圧縮技術を用いることで、従来のDVDにHD記録できるものも登場したが、そのまま記録したもの(TS)と比較してデータ量が少ない分画質は劣るし、当然ながら録画時間も少ない。
次世代DVDレコーダー
従来のDVDでは、ハイビジョン記録するには容量が足りないということで、HD DVDとBlu-ray(ブルーレイ)の二つの規格が登場。いずれも青紫色レーザーを用いることで高密度記録を実現。従来のDVDの後継規格であるHD DVDと、より大容量をめざした独自規格であるBlu-rayは統一されることはなくハード/ソフトメーカーを二分するかつてのビデオ規格VHS対ベータ戦争の様相を呈した。その後、HD DVDを率いる東芝の事業撤退宣言(2008年2月19日)により、事実上Blu-rayが残る結果となった。
次世代DVD規格がBlu-rayに一本化されたことで、ユーザーの迷いは少なくなったものの、現時点では(2008年)記録メディアがまだまだ高価である。『次世代DVDレコーダー』という言い方は、もはや過去のものとなりつつある。
HDDレコーダー
パソコン用と同様のハードディスクドライブに記録するものである。ランダムアクセス可能で頭出しも早い。容量次第ではあるが、かなり長時間の記録が可能。テープなどと違って無交換で長時間撮れるので、撮り溜めして週末に一気に見たり、長期出張などにも威力を発揮する。また、撮ったり消したりを繰り返す人にはベストな選択と言える。しかし、容量が有限なので最終記録には向かないし、壊れた場合、記録したものがすべて消えるという不安もある。
Hi-Vision HDD Recorder
IO-DATA HVR-HD160M
購入を検討していた2004年頃、HDD付き次世代DVDレコーダーがベストであることはほぼ明白であったが、20万円以上の値段だったのでとても手が出なかった。当時、ハイビジョン記録可能な装置としてもっとも安かったのがHDDレコーダーだった(当時4万円程度)。
最初に購入したのがこのHDDレコーダー。地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送用チューナーに接続すれば、ハイビジョンや5.1サラウンドなどの放送品位でそのまま記録可能。容量160GBで録画時間は、BSデジタルHDで約14時間、地上デジタルHDで約17時間、SDで約42時間となっている。
使ってみると
接続は簡単で、i.LINK(IEEE1394、FireWireと同一規格)ケーブル1本でテレビと接続する。デージチェーン接続(数珠つなぎ)で複数台増やせる。ちなみにウチのテレビでは、16台まで(笑)
画質は放送品位そのもので、劣化は全くなく、放送と全く区別がつかない。感動的である!
操作は、本機のリモコンを使うD-VHSモードとテレビのリモコンで操作可能なHDDモードがあり、背面のディップスイッチで切り替える。ムーブの時以外はHDDモードが便利である。完全にテレビの支配下に入り、まるで内蔵されているかのようなふるまいをする。テレビに表示された番組表(EPG)で項目を選ぶだけで録画予約可能で、一発録画や追っかけ再生にも対応する。録画したものは、タイトルごとに一覧表示され、選ぶだけで再生を開始する。これに慣れると普通のビデオには戻れなくなる(汗)
容量が足りない
160GBでは、すぐに容量が底をついた。中身はパソコン用のHDDと同じもののハズなので、大容量のものに交換するか、入れ替えて使えばいいぞ、という悪だくみを考えついたが、調べる限りNG。どうやら制御基盤とHDDは1ペアでID管理されていて、物理的に交換は可能でも、ソフト的に認識されないとのことだった。
すぐにあきらめて2基めを購入。i.LINK経由でムーブしても映像は全く劣化しないということも体験できた。ただし、頭の0.5秒くらいが消えることもわかった。
IO-DATA HVR-HD250M
その後、新製品が出た。と言っても、HDDの容量が160GBから250GBに変わっただけでほとんど同じである。型番の印刷くらいしか違いはない。正直、編集機能くらい付けてほしかった。
録画時間は、BSデジタルHDで約21時間、地上デジタルHDで約26時間、SDで約65時間となっている。数字通りのUPであるが、魅力的な数字であった(笑)早速、160Mを1基売却しこれを購入した。使用感は全く同じだが、機械音が若干うるさくなった(個体差があるようである)。
上が HVR-HD250M、下が HVR-HD160M、みためはほとんど変わらない。かっこええ!
IO-DATA HVR-HD250F
それから約9ヶ月後、新製品が出た。ついに待望の編集機能がついた。リモコンも機能が増え、普通に豪華になった。重ねて置くための熱対策として速度4段階可変式のファンまでついている。容量が、250GBと据え置きなのが残念だったが、編集機能は魅力的だったし、HDDのやりくりにも疲れたので、3基めの購入に至った。
編集機能は、ある程度慣れが必要だがそれなりにうまく出来ている。デザイン的には前のモデルのほうがすっきりしていてよかったし、インジケーターが見にくいというマイナスポイントもあるが、製品として成熟したと言える。
みためはだいぶ変わったが、大きさは旧モデルとほとんど変わらない。
IO-DATA HVR-HD500R
それから約7ヶ月後、待望の500GBモデルが出た。毎度のことながらHDDのやりくりに苦労していたし、編集機能付きの250Fに録画が集中しがちであったので、即採用決定となった。機能的には、ハンディカメラと接続可能になったくらいであまり変わりない。
大きく変わったのはボディで、いわゆる一般的なオーディオ機器のサイズとなった。中を開けると予想通り、250GBモノのHDDが2基搭載されていた。ちなみにドライブの銘柄は前モデルと同様である。
冷却ファンも2基になったので一番低回転のモードでも若干うるさくなったし、容量アップした分録画可能タイトルも増え、100くらいになると目的のものを探すのに苦労する。あと、待機電力が若干アップしている。
上がHD500R。デザイン的には前モデルとほぼ共通であるが、この大きさのほうがまとまりがあるようにも思われる。
IO-DATA HVR-HD400R
ボディはHD250Fと共通だが、HDDが400GBモノに交換され、機能的にはHD500Rと共通。コンパクトボディとしてはシリーズ最大容量となるが、なぜか1年も経たないうちに生産中止となった。大きさと容量のバランスが良く、自分には最も好ましく思えたので、HD250Fと入れ替えで2基購入した(コンパクトボディタイプは、この機種が最後か?)。
最終的に、HD500R×2、HD400R×2の4台体制で、見て消し用はHD500R、保存用はHD400Rというように負荷を分散させて運用している。

HDDの快適さに慣れてしまったし、永久保存版と思って残しても2度と見ないようなものも多いので、撮ったり消したりを気軽に出来るこのタイプがとても便利である。理想を言えば、ドライブをカートリッジ式にしてほしいし、ムーブ時間も短縮されるとありがたい。
ちなみにその後、800GB、1000GB、とさらに大容量モデルも登場したが、万が一の場合のリスクも大きくなるし、割高感もあり買い替えは見送っている。


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